ジメジメ陰キャ倶楽部

チーズ牛丼食ってそうな人間の備忘録

第3.1話 退廃的学生生活の終焉、そして骨折

ブログはコツコツと更新するものであろう。しかしながら、そんな器用さは持ち合わせいない。

 

大学院から逃げ出すためのノルマを達成した疲れからか、文章を二度と書きたくないという気持ちに支配されてしまい、ブログの存在を意図的に忘れていた。随分と破茶滅茶な内容だったにも関わらず、修士号を貰えたのは幸運だった。向こうからすれば大学院から追い出したかっただけなのかもしれないが、この配慮と慈悲に感謝して教授陣全員の靴を舐めても良いと今でも思う。

 

キーボードを叩いているうちに大学に入りたての頃を思い出してきた。6年も前という事実が少しずつ、私のうちにある何かに傷をつける。

社会人を辞めたい。ほんと大学院に戻りてぇゾ。

 

もし時間を巻き戻す事が出来るのならば、学生生活最後の春休みをもう一度体験したい。そしてブログを書く事を先送りにしてだらだらと過ごしたい。人生において時間のループに巻き込まれるとすれば、あの春を迷わず選ぶ。

 

誰かに縛られる事なく身体の欲望を叶えるが如く、食う寝る卑猥物鑑賞を繰り返し。明日やれる事はいつかやる。内閣も驚く問題の先送りをしてもまったく心を痛めない。そんな生活が愛おしい。

 

全てが優雅で儚い人生最後の春休みが後数日で終わろうとしていたある朝の話をする。社会適合を迫られ不安な気持ちで自転車にまたがったのが運の尽き。良い一日を始める事は出来なかった。

さあ行こうと自転車を漕ぎ始めた瞬間にタイヤが滑る感触がハンドルに伝わってきた。

よく事故をするときは体感時間がゆっくりになるというがアレは嘘だ。

次の瞬間には雲一つ無い青空を見上げていた。

転んだ事を理解するよりも早く、痛みが左手から駆け上がってきた。痛みで何も出来ず、血まみれで日光浴をしていた。

 

不幸中の幸い、一部始終を目撃した方がいた。その方は仕事に行く途中であったのにも関わらず私に寄り添い救急通報してくれた。

 

お名前を聞くのを忘れてしまった。

本当に感謝してもしきれない。お礼をしっかりと言えていない事を今も後悔している。

 

介抱してくれた方曰く、側溝を塞ぐ網状の蓋が濡れており、そこでスリップして一回転し、左手で受け身を取る形で墜落。顔面をアスファルトで研磨していたらしい。

 

かくして私は緊急搬送された。サイレンの音程がドップラー効果で変化しない救急車内で、鳴り止まない心音計測の電子音を聞いてようやく怪我を実感したのを覚えている。

 

救急隊員には年齢やら緊急連絡先を聞かれた。

 

この時、“彼女はいるの?”という問いを投げかけられた。

 

妙だとは思いつつも、“今はいないですね、学科は男性が多いので” などと恥ずかしい言い訳を精一杯供述した。

 

家族以外に緊急連絡すべきパートナーはいるかという意図で質問していた事に気付いたのはだいぶ後だ。これはあまりにも惨めだ。

 

搬送先で検査を受けたところ、頭には異常はないとのこと(医学的にはないが社会的には異常)

そして問題の腕はレントゲンの結果、左手橈骨粉砕骨折と診断された。

 

医師に勧められるまま手術を受ける事になった。医師は何故床屋感覚で手術の日程を決めるのか。

 

骨折によって俺は貴重な学生と社会人の『間』を病院で過ごす羽目になった。この事については第3.2話で綴ろうと思う。誰が読むかわからないが読んでくれた暇人には感謝。隙あらば自分語りも悪くない。

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粉砕したメガネくん